歌音
「にゃはは!やるじゃないのー!
 さすがは・・・あいつの側近・・・」
浩二
「さぁ!どうする!撤退するなら、今のうちだよ!」
歌音
「うーん、撤退してもいーんだけど、思ってたよりも強かったから、
 特別にいーこと、教えてあげる♪にゃはっ!」 
浩二
「・・・?」
歌音
「にゃしし、あなた達、王都を奪還したいんでしょ?
 だったら、聞いておいたほうがいいよ。」
お構いなしに話を続ける歌音
歌音
「もうすぐここから数十マイル先の沖に、帝国の『鯨』が到着する。
 それを止めないと、王都奪還は難しくなる。」
浩二
「・・・鯨?」
歌音
「鯨には、動力源となるコアが2つある。
 それを破壊すれば、指揮系統を失い、攻撃もできなくなるよ」
浩二
「・・・なぜ、そんな情報を?敵である僕に・・・」
歌音
「にゃははは!何もわからないまま突っ込んだら、すぐに終わっちゃうでしょ?
 それじゃ、つまんないと思って。ま、司令塔にその位置情報と、
 他にもいろいろ残しておいたから、興味があったら見てみるといいよ!
 じゃあね!」
言い終えると、腰に巻きつけらポーチからグレネードを取り出し、投げつける
浩二
「あ!待・・・!ッゲホ」
浩二の引止めにも応じず、「にゃはははは」という笑い声とともに姿をくらます翠の歌姫。
これは・・・スモークグレネードか。
浩二
「・・・・・」
―――20分後 シーナ・ベースから1Km離れた崖に、彼女は姿を現した。
歌音
「・・・さ、コレでいい?」
目の前にいる、木に寄りかかっているフード姿の女性に話しかける歌音。
蒼い髪をなびかせ、歌姫の質問に答える。
フードの女性
「えぇ、カンペキ。軍の撤退も順調みたいだし、
 戦闘狂のアナタでも、やればできるじゃない。
 ウチ、ちょっと心配してたのよ?」
歌音
「にゃふ・・・私だって、ちゃんとやるときはやるわ?」
ぷぅ、と脹れる歌音に対し、アハハッと笑うフードの女性。
フードの女性
「クスクス、ゴメンゴメン。
 ・・・それにしても、あなたの口から直接言ったほうが、
 良かったんじゃない?ねぇ、正男ちゃん」
フードの女性の横に立っている、赤い帽子をかぶった男に話しかける。
正男と呼ばれたその男は、ただ、かつての家族が今いる基地を見つめていた。
正男
「・・・いや、今はまだ、このままでいいさ」
フードの女性
「・・・そっか」
何かを思いつめるような表情をしている正男に対し、
フードの女性・・・フロゥは考える。

「正男ちゃん、あれからキャラが変わっちゃったなー」と。

自分から誘ったのを少し後悔したものの、
『お姫様を助ける』という大義名分を達成するためには、
彼の力が必要だ。コレは、避けられなかった道だと思う・・・。
歌音
「んで?次はどうするの?」
フロゥ
「んー、そしたらね、モセスちゃんと合流してちょーだい。
 チェールンに行ってほしいの。」
歌音
「えぇー?ってことは、まーた護衛と偵察任務ぅー?
 もう飽きたよー、うぅ・・・」
フロゥ
「ううん。今回も戦闘任務よ。
 同盟国が反政府組織に手を焼いているから、殲滅してこいって。
 彼、今はベル・ライン軍港にいると思うから、まずはそこで合流して」
歌音
「にゃは!!ホント!?やったぁ!!じゃあすぐに向かうよ!!」
「にゃはははは」という笑い声を上げ、飛び去る歌音。
戦闘任務と聞いて、おおはしゃぎしているのだろう。
フロゥ
「・・・さて、じゃーあたしたちも、行きますかー!」

――――――



シーナ・ベース奪還から2時間後 

シーナ・ベース 司令塔会議室

壁に設置されたスクリーンいっぱいに、歌音が言っていた「鯨」の情報が表示されている。

ノルス
「アンプロケテオス。帝国が保有する海上戦力の中で最大級の戦艦、か」

兵士

「全長580メートル、排水量12万トン。両舷に主砲4基、爆裂対空砲計120基を搭載しているほか、
 大型エアームズ発艦用のカタパルトを搭載、空母機能も完璧です。
 このほか上陸用の陸戦兵器も収容でき、1度の輸送で1個師団相当の兵力を動員可能です。」


ミシェル
「こ、これ、戦艦というか、もう巨大生物ですね・・・」

ノルス
「うわさは知っていたけど、もう実践投入まですすんでいるなんてね」

浩二
「歌音は、『これを止めないと、王都は奪還できなくなる』と」

ノルス
「まぁ、鯨一匹なら、連合が総力をあげて立ち向かえばなんとかなるだろうけど・・・・
 何せ戦闘区域が広範囲に及んでるからねー・・・」

ミシェル
「わ、私たちだけで対処するしか・・・ですが、船は・・・」

ノルス
「・・・仕方ない、あいつに頼むかぁ・・・」

浩二
「・・・?」


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